青月20日、実習と呪詛魔術について

 

 

 

 



~~ 100年後 ~~


「ねぇ、それでそれで?

 すふげ山実習は、誰が優勝したの?

 やっぱりおじいちゃん?」


「ふぉっふぉっふぉっ、

 そうじゃのう、この話の続きは、

 また今度にしよう。ほら、今日はもう寝なさい。」

 

「ちぇっ、つまんないのー。」

 

「ねえおじいちゃん、私も大きくなったら、

 すふげ山に実習に行くのかな?」

 

「そうじゃのう、行けるといいのう。」


~~ 今 ~~


……はっ! しまった。よくわからない妄想をしてしまった。

何だこれは、また、異界からの電波だろうか。
いや、人のせいにするのはよくないな、

以前しおねさんにも、そうたしなめられてしまった。


それにしても、呪詛魔術というのは基本的に

あらゆる物事を他人のせいにする魔術だと思っていたが、

どうやら認識を改めなければならないみたいだ。

しおねさんは悪いことを人のせいにする人ではないものな。


たぶん、今回ばかりは僕が変なのだろう。


今日はこの変な気分にまかせて、

一切の推敲を抜きにして、流れに任せて書きなぐってみようか。

 

さっきちらっと呪詛魔術の話が出たし、呪詛魔術について考えよう。
人を呪うというのは、リスクが高いことだと思っている。

呪いの反動は術者に返ってくるものだからだ。

昔から、人を呪わば穴二つという。これは墓穴のことで、

要するに人を呪い殺すと、その呪いは自分にも返ってくるので、

自分も死ぬことになるということだ。


でも多分、しおねさんが使っている呪詛はそういうものではない。

じゃあ何かって、しおねさんの呪詛によって出来るのは墓穴じゃなくて、

ただの何でもない穴なんだ。


とても恥ずかしいときに、穴があったら入りたいと言う。

で、しおねさんは、そういう恥ずかしい人が身を隠すための穴を

用意しているんじゃないかな。そのための呪詛魔術だ。

 

まとめよう。

しおねさんの呪詛魔術は穴を掘る魔術である。つまり、しおねさんは、

土木建築魔術師だったんだよ!!!(な、なんだってー!)

……うーん、これは早く寝たほうがいいかもしれないなぁ。

(う○こですとぉぉぉおお!)

 

 

ユウク=ケダッシュ