この世界のすべての基礎である、魔術について
何やら良くわからぬ文字で書き殴られた紙が私の手許にあった。
著者はこの世界の理について詳しいらしく、
私の知らぬ単語を用いて、魔導に関することを解説しているようだ。
ここに、その全文を載せておこう。
この謎めいた文章が、この世界の魔術を解き明かす一端となれば幸いである。
《私の考える魔術体系について》
断片的に情報を出しても分からなくなる可能性があるし、
前提がこんがらがってめちゃくちゃになりつつあるので、
私の考える魔法体系をまとめておきます。
めちゃくちゃになりつつあるのが私のせいのような気もするので申し訳ない。
※どうでもいいことを書いたけど、どうでもいいのでやめた。
【用語メモ】
魔導界:今回扱う物語の世界。単に「魔」と書く場合はこれを指す。
現実界:現実です。いわゆるリアル。単に「現」と書く場合はこれを指す。
便宜上の存在で、物語中には当然出てこない。
分身界:bot達の世界。魔導界と現実界のはざまにある・・・らしい。
【魔術と科学の関係】
私が考える「魔術」と「科学」との関係について。
何回か述べたように、私は " 現実界での「科学」が
ちょうど魔導界での「魔術」に相当する" と考えています。
日常で使う「科学」という単語を、「魔術」という単語に
そっくり置き換えたものを想像すると分かりやすいかも。
詳しく言い換えると、
現実界で起こる現象は、すべて科学の法則に忠実に従っているように
(超常現象など、科学で説明できないこともありますが、ここでは深く考えないとして)
魔導界で起こる現象は、
すべて魔術の法則に忠実に従っている、ということです。
現実の世界では、「水素」や「酸素」など、
「原子」が物質を構成する最小単位であり(*)、これが様々な組み合わせで結合することで、世の中のいろんな物質が出来上がります。
これと同様に、魔導の世界では、「水のエレメント」や「地のエレメント」などの「エレメント」が、物質を構成する最小単位となります。さまざまな属性のエレメントがいろんな組み合わせで混ざり合ったり「結合」したりすることで、魔導界のいろんな物質が出来上がるというわけです。
*原子はさらに陽子・電子・素粒子などから構成されることが知られており、原子は普通に最小単位ではありません。
ここでは便宜上「原子」を最小単位としましたが、気になる方は適宜「素粒子」という単語に置き換えてお読みください。
例えば、「水」を考えてみましょう。
よく知られているように、現実界での「水」は、
「水素」と「酸素」からなる化合物です。
一方で、魔導界での「水」は「水属性エレメントの最小単位」
という扱いであり、それ以上の分割は不可能。
水と何かを反応させて別の物質に作り替えたり、
何かと何かを反応させて水を作り出したり・・・というのはありえません。
なんか、水を電気分解すると
水素と酸素が発生するような現象があったような気がします。
魔導界にもこのような現象があると仮定した場合、
これを魔導界の原理で解釈すると、
「水に電気の力をかけたことにより、
周りのエレメントと反応して何らかの気体が発生した」となります。
水はあくまでも最小単位であり、
間違っても電気「分解」とかはされないわけですね。
・・・記述はここで終わっている。
もしかすると、これと似たようなものが存在するかもしれない、
否、同様のメモがいくつか存在する可能性は高いであろう。
もし別のものが見つかったら、その都度ここに残しておくことにしよう。