またある日のこと。 しおね。
~前回のあらすじ~
こ、これは、異界からの電波!? いや、違いますね。学生用電波アドレスからの電波みたいだ。 そう、ちょっとだけ、ちょっとだけなら、見ても、いいよね。 |
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……。 | |
……!! |
ちょっとちょっとまておちつくんだこれはどういうことだ
たしかにこれはユウク先輩名義のアドレスで送信されてはいるが
私の知る彼はそんなひとじゃない!
た、確かに見た目はゴリラだしちょっと変なところはあるけれど、
かよわい下級生を誘拐してあんなことやこんなことするような人じゃない!!
それとも、私が今まで見ていた姿は全部勘違いだとでもいうのでしょうか?
お前の弟は預かった。
返して欲しくば風の塔506号まで、
どや焼きを持ってこい。
ユウク=ケダッシュ
恐ろしいことだ… 、…いや、ありそうだ
あの低音イケメンボイスでそんな台詞を言われたら、
Mな人ならうっかり惚れてしまいそうだ。…じゃなくて、
何かあったのかもしれない。この前も電波を受信したとか騒いでいたし、
変なことをするとしたら、彼なりに変な事情があるに違いない。
ととととりあえずこれは、確認すべきだと思うのです。
506号室なら、歩いても30秒ぐらいしかかからない。
むしろ、そんな近場で恐ろしいことがあるなんて信じがたい話ですが、
まず私がかわりにどや焼きを持って、
「これをあげるから誘拐は考えなおしてくれ」と言うのです。
いやしかし、巻き込まれて 逆に私があんなことやこんなことを
されるハメになったらどうすると…?
ガタッ
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!! ななな何者ッ!!! ロリコンはべつにいいけど誘拐は犯罪です!! |
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やあ、おはようございません。ベースジャック☆
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まぁ、あっきさんではないですか。おはようございません。 すふげ茶ならまだ1㌔ぐらい残っているので大丈夫ですよ |
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ええと、それですがね。本日はすふげ茶のお話ではなく、 ある人へ贈る、すふげの花飾りを用意したいと思っているのです。 材料や製法について、ご相談にあがりたいと思いまして。 魔技師さんどび☆ |
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ああ、なるほど… 私はすふげ茶は好きだけれど、 すふげそのものに詳しいわけではないのですよ… 花なら、実習のときにkoya先輩が設問に挟んで持ち帰ったアレが 使えるんじゃないです? |
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あれは、授業用ですね。どび☆ | |
じゃあ、またあの山で取ってくる…? | |
そういうことになりますね。 | |
ちょ、ちょちょちょっとまった… あれはあすら先輩が戦ったから行けたけれどもsrkdhf… |
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難しければ、材料はこちらでなんとかできますので、 製作のところだけでもご協力いただければ嬉しいのです… これは大事な任務ですので… |
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は、はぁ…。(どんな任務なのかは聞いたらまずいのかしら。) | |
カンカンカンカン ガタガタガタッ
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!? | |
うわ、なんかすごい階段を駆け上がる音が。 506号のほうだ… きっとあの電波を受信した本人が、弟を助けに来たに違いない…! ちょ、ちょっと様子を見に |
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おいコラてめぇどういうことだてめぇ 一体どういう因縁でこんなことをするっての!!?
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(ぎょええ!思ってたより全然おしとやかじゃなかった しかもすげーどや顔してるすげー)
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おい待て君、君も錯乱しているのか。僕の電波を見ただろう? 髪留めをお返ししたくてな、しかし貴女の部屋番号は存じないので、 迎えに来ていただいてお手数をおかけしましただよ。 |
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錯乱?ふざけんな、とりあえず弟を出しな! どういうつもりかわからんが、あたしの炎魔法に勝てると思うなよ! なめてんのかコラ |
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おいおい、落ち着くんだ。君たちはどれだけ錯乱姉弟なのか。 一体なにがどうなってるのかこちらが説明していただきたい。 koya君、まさか打ち間違いをしたんじゃないか? |
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そんなことないです!(どやっ おねーさん、どや焼きは持ってきてくれましたか!? |
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どや焼き?僕はそんなもの頼んだ覚えはないぞ… (この人物そのものがどや焼きに見えないこともないが… もしや、髪留めの件は人違いだったのだろうか?) |
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おおおお姉ちゃんそんなに荒ぶってどうしたの!!? まだ何もされてないよね!?電波ってどんな怪電波!?? やっぱりカツアゲ!?それともヘンタイ!? |
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(な、何がどうなっているんだ? とりあえずユウク先輩はいつもどおりだし、 誘拐をしてる様子もなさそうだ…) じたばた
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ええと、この狭い廊下で争いごとは控えましょう。 他の部屋にも迷惑です。 これ以上騒ぐようであれば、教授に通達しますよ。 |
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おっと、あっきさんもいらっしゃったか、これは失礼した。 それがですな、この方々が、勇ましいゴリラの姿を見て どうにも錯乱してしまうので、よろしければ あっきさんのほうから説得していただけませんかな。 |
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(私の存在は視界からスルーされた!?) |
~数十分後~
…と、いうわけで、 僕が送信しようとしたのは、お返しするための髪留めの話ですだよ。 弟さんとはたまたま会ったが、預かったなどという話は誤解だ。 おそらく、全ての元凶はkoya君であるよ。(とある書記より) |
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テフェフェー(どやっ | |
あ、あ、あのあのgtldfjl;s… どや焼き、人数分買ってきました。 これで仲直りしてください。おねがいします(じたばた |
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わー!しおねさんすごいふとっぱら! 全部もらおう!ぶっぽるぶっぽる!(どやっ |
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(ふ、ふとっぱらって、腹が太いってこと!??) | |
こらこらkoya君、独り占めはだめだろう。 ささ、みなさん上がってお茶でも飲んで行くといい。 蝶々結びを披露しますだよ! |
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ふう、今日も平和ですね。 | |
(…と、ところで、髪飾りの話はどうなっちゃうんだろう) |
~つづく?~